528iはBMWとして初めて日本のエコカー減税対象車となっている。 コンポーネンツはF01の7シリーズと共用しており、車体は先代からさらに拡大された。6代目の大きさはE32の7シリーズとほぼ同じである。また7シリーズと同様にエネルギー回生システムを取り入れており、減速時に発電機を回してバッテリーへの充電を行い、燃費の改善に役立てている。 グレード名は昨今のBMWの流儀通り、下2桁の数字と実際の排気量は一致しない。出力とトルクの数値に基づき「自然吸気○○○○cc相当」という意味を込めて「5○○」という表記になっている。つまり3000ccターボを搭載する535iは「3500cc相当」という意味で、4400ccターボの550iでは「5000cc相当」の意味である。 535iと550iのエンジンは、最近の欧州車では一般的となった、自然吸気エンジンを排気量の小さいターボエンジンに置き換えたもの。535iは「35」とはなっているが、少なくともピーク性能自体は過去の540iとほぼ同程度のものになっており、カーグラフィックやInsideLineなど内外自動車メディアの性能テストでも従来の各社NA 4000ccとほぼ同程度の記録をつけた。 足回りは四輪操舵のインテグレイテッド・アクティブ・ステアリングを装備するほか、エンジンの出力特性や変速パターンを変更する「ダイナミック・ドライビング・コントロール」を標準装備。下位グレードではオプションとなるが、伸び・縮み両方のダンピングレートを可変する「ダイナミック・ダンピング・コントロール」、ダイナミック・ドライブとダイナミック・タンピングを統合制御しアクティブ・スタビライザーを備える「アダプティブ・ドライブ」なども用意されている。但し機能の名称にあっては、「ダイナミック」「ドライビング」「コントロール」といった単語が重複使用されていることから、カーグラフィックに評論を寄稿した渡辺慎太郎ら自動車ジャーナリストからは「名前が似ているので分かりづらい」旨の指摘が出ている。 近年の他のBMW車と同様に、タイヤはランフラットを使用する為、パンク修理剤もついていない。前後重量バランスを重視したトランクへのバッテリー配置も従来どおりだが、整備士以外はバッテリーに触れられないように密封されている。 車内のインターフェイスでは、改良されたiDriveを採用。環状の入力装置だけでなく、ナビやオーディオの項目を直接開くためのショートカットボタンが設置された。取扱説明書は電子化され、iDriveから呼び出して画面で見るものになった。 その他操作系ではオプションでアクティブクルーズコントロールや赤外線暗視装置、車線変更時に後方から接近する車両を検知し警告を促す「レーン・チェンジ・ウォーニング」も装備できる。最後のものは機能的には、マツダ・アテンザやマツダ・アクセラで採用されているものと基本的に同じである。 |